チキンミールって何?知らなきゃ怖いキャットフードの世界
ここではキャットフードに使われるチキンミールの裏話をご紹介します。キャットフードの原材料欄によく書かれている「チキンミール」って何のことだかご存知ですか?「チキンミール」という言葉には定義がなく、一言にチキンミールと言っても国やメーカーによって中身はピンキリなんです。
チキンミールとはどういった意味なのか?「危険なチキンミール」と「上質なチキンミール」の違いや見分け方などをまとめました。今あげているキャットフードに「チキンミール」が使われている方は参考にしてみて下さい。
チキンミールとは【目次】
チキンミールって何?なんでキャットフードに使われているの?
AFFCOでは「家禽ミール」のことを以下のように定義付けています。つまりパッケージなどに「AAFCOの基準に準じて~」などと書かれていれば、以下の内容に沿って作られたチキンミールということが分かります。
Poultry: the clean combination of flesh and skin with or without accompanying bone, derived from the parts or whole carcasses of poultry or a combination thereof, exclusive of feathers, heads, feet and entrails. It shall be suitable for use in animal food. If it bears a name descriptive of its kind, it must correspond thereto.出典:AAFCO
「家禽」とは牛や豚などの家畜の鳥類バージョンのことです。一般的な鶏から七面鳥やカモ・アヒル・ウズラなどの総称になります。上記を翻訳すると以下のような内容になります。
「家禽ミールは羽毛・頭・足・腸を除いた家禽、または家禽の一部を使用したもの。骨の有無は問わず、清潔な肉と皮をレンダリング乾燥(脂肪と水分を抜く)したもの。動物用の食品として適したものであること。種類を表す名前(鶏など)を着ける場合はそれに対応すること。」
「家禽ミール」と書かれていれば色んな鳥類の肉を使った乾燥粉末、「チキンミール」と書かれていれば鶏肉を使った乾燥粉末ということになります。チキンミールには一般的に良く言われる羽や頭は使われていないんですね。但し、AAFCOには「家禽副産物」に対する決まりもあります。
家禽副産物については頭や足、内蔵(心臓や肝臓などの臓器、ただし便などの内容物や異物が無いこと)を含んで良いことになっています。内蔵なんかは焼き鳥とかでも食べるハツとか砂肝をイメージすると良いですね。
頭や足もたんぱく源になりますし、コラーゲンも豊富です。ちなみに、羽だけを乾燥粉末にした「フェザーミール」はかなり消化に悪いので注意して下さい。
ものとしては「茶色い粉末」と思って貰えれば良いです。これは高温・高圧で一度粉末にし、水と混ぜてキャットフードのつなぎやたんぱく源として使われます。
結局チキンミールって良いの?悪いの?
「チキンミール」の良し悪しはメーカーのコンセプトや公式サイトをチェックしなければ分かりません。人間が食べる部位だけを乾燥させた高品質なチキンミールを使うメーカーもあれば、次に紹介するような恐ろしいチキンミールを使うメーカーもあります。
【危険がいっぱい】恐怖のチキンミール
チキンミールにどんなものが使われているのかは上記で説明した通りです。ただ、食べられる部位を使っているからといって安心できる訳ではありません。
最近ではカナガンキャットフードのように「平飼チキン」やオーガニックのチキンを使用するフードもありますが、一般的なチキンは鳥インフルなどの病気を防ぐ為に大量の抗生物質や成長ホルモンが使われています。
レンダリング工場とは、チキンミールって何?で紹介した加工・調整工場です。自社工場で人間が食べる部位だけを乾燥させた、高品質なチキンミールにするペットフードメーカーもありますが、ごく一部の「上質なチキンミール」を使うメーカーだけです。
多くのペットフードメーカーは「チキンミール」の状態で仕入れたものを使います。レンダリング工場と言ってもピンキリで、「家禽副産物」やさらにひどいものも作っている工場もあります。
衝撃的ですが、上記のような動物をブルドーザーで大きな窯に入れて加工します。とにかく安く済ませる為に一度に大量に加工する必要があります。その為ある程度の量が貯まるまで置いておかなければいけないので、最初に持ち込まれたものは腐敗が進んでしまいます。
なので大量の防腐剤を使い、腐敗を止めますがそれでもウジが沸いてしまったりします。中にはノミ取り用の首輪や殺鼠剤を食べてしまい死んでしまった子もいます。が、それらもお構いなしに窯に入れて加工されます。
そもそも人が食べる訳では無いのでこんな扱いをされている訳ですが、そんなところがきちんと清掃し、きれいな状態でチキンミールの加工をすると思いますか?つまりチキンミールには防腐剤やプラスチック・殺虫剤なんかが入っている可能性があるということです。
チキンミールに上記のような問題があるにも関わらず、ペットフードメーカーはチキンミールを仕入れて使っている場合、「チキンミール」とだけ表示すれば良いのです。
この辺りが緩いところで、原材料欄に記載が必要なのは「製造・加工する際に入れたもの」だけで良いというのが現在の法律です。
なのでチキンミールに何が入っていようと、レンダリング工場から「茶色い粉末」を仕入れて使う分には「チキンミール」とだけ表示していれば良いんです。
「チキンミール」って書いてあると消費者としては「鶏肉を使っているのか」と思ってしまいます。確かに鶏肉も入っていますが、それ以外の危険がたくさん詰まっていることを忘れてはいけません。
もちろん、全ての「チキンミール」が上記で挙げたような粗悪なものではありません。例えば上記は「アズミラ クラシックフォーミュラ」の原材料です。
チキンミールが最も多く使われていることが分かりますね、アズミラが使っているチキンミールは水分を除いたチキン(肉部分)です。水分を取り除いたチキンミールを使うことで、キャットフードになった時のたんぱく質を高くしています。
生肉を使うと水分量が多く、キャットフードになった際にたんぱく質の割合が減ってしまいます。生肉とチキンミールを同量使ってキャットフードを作った場合、チキンミールを使った方が高たんぱくなキャットフードを作れます。
他にもロータスもチキンミールを使っていますが、「ミール」に副産物を使っていないと書かれています。このように、メーカーによって「副産物不使用」や「人間が食べられるヒューマングレードの食材を使用」などを公表しています。
キャットフードに使われているチキンミールが安全かどうかを見極める為には、上記のような部分をチェックするのが大切になってきます。
次に、当サイトで「上質なチキンミール」かどうかを見分ける為のポイントをまとめたので、「チキンミール」入りのフードをあげている方は参考にしてみて下さい。
「上質なチキンミール」を使ったキャットフードか見分ける方法は?
チキンミールに副産物が使われているか見分ける判断基準 | 評価 |
---|---|
「AAFCO」や「FEDIAF」の基準を取り入れている | 〇 |
「チキンミール」ではなく「乾燥チキン」と書かれている | 〇 |
公式サイト内に「副産物不使用」が書かれているか | 〇 |
食材の状態で仕入れて全て自社工場で加工しているか | 〇 |
「動物性脂質・油脂」などが使われている | △ |
穀物の割合が多い | △ |
着色料や化学合成された酸化防止剤を使っている | △ |
価格が1㎏千円以下 | × |
「チキンミール」以外の4Dや〇〇副産物が使われている | × |
原材料に「チキンミール」という表示があった場合、それが本当に安心して食べられるものなのか、見分ける方法としては上記を注意してみて下さい。
少なくとも「AAFCO」や「FEDIAF」を元に作られたチキンミールであれば、「チキンミールって何?」で紹介したような羽や頭・足・内蔵を取り除いた部分の乾燥粉末であることが分かります。
内蔵はキャットフードの材料としても良く使われますし、猫にとって必要な栄養が詰まっているので問題ありません。問題は羽や頭・足などですね、消化に悪く含まれていない方が望ましいです。
カナガンキャットフードのように生肉・乾燥肉を、全て自社工場で加工しているキャットフードは安全性が高いです。基本的に安いものや安く作る為に粗悪な材料が使われているキャットフードは、危険性が高いと思って下さい。
また、確実なのはメーカーに直接聞いてみることです。「高品質なチキンミール」を使ったメーカーは「~(例:肉部分しか使ってない)だから大丈夫」ときちんと回答してくれます。
逆にチキンミールの質を把握していない・粗悪なチキンミールを使っているメーカーは歯切れの悪い回答しか返ってきません。
チキンミールを使っている安全なおすすめのキャットフードは?
安全なキャットフードを見極める場合チキンミールの使用というよりも、ペットフード会社の質によって選ぶ方が正確です。
その為には「添加物の使用」や「穀物の使用」・「副産物など粗悪な材料の使用」があるか見分けていく方が確実に安全性を把握できます。
当サイトで紹介している30社のメーカー毎にそれらの使用があるか、全て確認した表を作ったので宜しければキャットフード選びの参考にしてみて下さい。